みなさま、こんにちは。
タングステンです。
ここ数年はコロナの影響で新車バイクの購入が難しくなっていますね。半導体が確保できないとかで車両の生産が安定しないとか。
そのせいで中古市場が高騰しているって話ですから、今からバイクの購入を検討する方は何かと難儀することでしょう。
そんな最近の事情がありえらいこっちゃなバイク業界ではありますが、実は毎年新しいバイクを販売しているんですよ。カラーラインナップの変更やマイナーチェンジはもちろん、完全に新型のバイクも登場しています。
(即納車できるかは別の話)
例えば、ヤマハのYZF-R25は毎年カラーラインナップが更新されている一台です。現行250ccバイクで比較的人気な車両なので、こんなご時世でも手に入れやすいバイクではないかと思います。
コロナ禍の移動手段としてバイクが選ばれるようになっている昨今、普通自動二輪免許を取得した人が最初に乗るバイク。その候補としてこのYZF-R25を考えている方も多いのではないでしょうか?
かく言う筆者も初めて購入したマニュアルバイクは2019年式のYZF-R25でしたしね。
筆者のことはさておき、免許取り立てでどのバイクが良いか迷っている方や特定のバイクの購入を検討している方なら「そのバイクがどんなバイクなのか」が気になりますよね?
というわけで、今回はヤマハのYZF-R25がどんなバイクなのかをまとめていきます。ちなみに、本記事では2019年式以降のものに関して書いているので、それ以前のモデルが気になっている方はブラウザバック推奨です。
まとめる内容ですが、最初にYZF-R25というバイクの基本情報(スペック・価格等)を、次にネット上の口コミ等を参考にこのバイクの評判をまとめています。
その後、元オーナーである筆者自身の意見も交えつつ、このバイクの良い点・悪い点をチェック。ここの内容はオーナーインプレッションのようなものになっているので、YZF-R25を買うか悩んでいる人は参考になるかもしれません。
最後に良い点・悪い点を踏まえてYZF-R25というバイクの評価をさせてもらいます。
それでは早速いってみましょう!
YZF-R25 の基本情報
YZF-R25の発売開始は2014年。日本市場に導入され始めたのは2015年からですね。
発売当初より掲げられている「毎日使えるスーパースポーツ」というキャッチフレーズがありますが、それを体現しているようなバイクとして人気を博しています。
2019年に外観イメージがガラリと変わったマイナーチェンジモデルが発売されました。今販売されているモデルですね。
その外観は同じYZF系列バイクの最上位にいるYZF-R1を彷彿とさせるデザインになっています。モデルチェンジ当初は倒立フォークやLEDヘッドライトが採用されたことが注目されていましたね。
さて、そんなYZF-R25の基本スペックを見ていきましょう。
全幅(mm):730
全高(mm):1140
ホイールベース(mm):1380
シート高(mm):780
車両重量(kg):170
燃料消費率(km/L):37.7(60km/h走行時)
排気量(cc):249
最高出力(kW):26
最高出力(PS):35
燃料タンク容量(L):14
ブレーキ形式:前後油圧式ディスク
フロントフォーク:倒立フォーク
詳細はメーカーサイトやバイクブロスあたりにお任せしようと思うので、ここでは押さえておきたいポイントに絞ってまとめてみました。
新車価格は654,500円。
中古市場の本体価格相場は約500,000円といったところでしょう。
もちろん、走行距離や車両の状態によって金額は上下します。
ちなみに、筆者がこのバイクを売ったとき(2022年2月)の買取価格は300,000円でした。
基本情報はこんな感じですね。
YZF-R25 はどのように評されているか?
メーカーサイトに載っているような情報や数値的な部分が気になるのはもちろんですが、それ以上に「YZF-R25というバイクがどう評価されているか」を知りたいのではありませんか?
数値的な情報はバイク購入の判断材料ではありますが、正直なところ数字を見てもイマイチわからないという方も少なくないでしょう。
特に初めてバイクを買う人となれば尚更です。
そんなときに調べるのが、巷での評判です。
肝心のYZF-R25の評判ですが、全体的な印象は悪くない感じだと思います。
実際に、
ポジションがキツすぎない
乗っていて楽しい!
車体が軽くひらひらと傾けられる
カスタムパーツが豊富なので自分好みのバイクにできる
といった意見が見られます。
その一方で、
ブレーキの効きが悪い
低速トルクが薄い
積載性能がほとんどない
所々チープな作りの部分が見受けられる
といったマイナス意見も多々ありますね。
他のバイクとの比較という点で見れば、同じ車体でエンジンが異なるYZF-R3や共通のエンジンを搭載しているMT-25と比べられている印象です。
「YZF-R3の方が排気量が大きくトルクもあるから、初心者はこちらの方が乗りやすい」とか、「乗車姿勢のラクさはMT-25に軍配が上がる」とかね。
人気のバイクだからでしょう、YouTubeにはYZF-R25のインプレ動画が山ほどあります。たくさんあるインプレ動画を見て、このバイクがどんなバイクなのかを研究するのもアリですよ。
個人的には「YSP横浜戸塚チャンネル」がアップロードしている動画がおすすめです。ヤマハ正規ディーラーであるYSP横浜戸塚が運営しているYouTubeチャンネルで、出演されているヤマハおじさん島田さんのコメントがとてもわかりやすいです。
YZF-R25関連はインプレ動画以外も充実していたように思います。本気で購入を検討されるのであれば視聴をおすすめしますよ。
モトブロガーのインプレ動画も様々あるので、そちらを視聴するのも良いでしょうね。2019年式が発売された当初、多くのモトブロガーがインプレ動画を出していました。
筆者的おすすめは、Woka Riderさんの動画です。
(筆者がこのバイクを購入する決め手となった動画でもあります)
「YZF-R25というバイクのここが良い!」というポイントをわかりやすく言語化してくれていますよ。
オーナー目線で語る! YZF-R25 の良いところ
前置きが長くなりましたが、ここからは 元オーナーの視点からYZF-R25というバイクの優れているポイントを語っていきます!
この記事を読んでいるみなさんがもっとも気にしているところでしょう?
とはいえ、筆者も専門家ではないので素人意見です。それを踏まえて読み進めてもらえると幸いです。
まずはわかりやすいところからいきましょう。
SSらしいスポーティなスタイル
YZF系列のクールな顔立ち
美しいカラーリング(特に’19式の青色)
パッと見の印象はバイク選びにおいて重要だと筆者は考えています。
その点で言うなら、YZF-R25は文句なしにカッコいいバイクです(もちろん各個人の好みはありますが)。
見てくださいよこれ。
素晴らしい…!
SSらしいフルカウルに端正な顔、同じYZF系列のトップオブトップであるYZF-R1や大人気のミドルクラスSSであるYZF-R6を意識したデザインが所有感をかき立てますね。
フルカウルで大きく見えますが、実物は意外とスリム。
タンクからシート周りにかけて細くなっているのでリア側から見るとシャープですよ。
正面も見てみましょう。
圧倒的イケメンフェイス!
整ったお顔が美しいですね。流石国内メーカーにおけるデザイン面の評価が高いヤマハのバイクです。
筆者は惚れちゃいました///
カラーリングも見てください。
めちゃめちゃキレイじゃあないですか!
年式によって異なりますが、筆者のイチオシは2019年モデルにラインナップされていた青色(ディープパープリッシュブルーメタリックC)です。
イチオシのこの色は、何を隠そう筆者が乗っていたYZF-R25そのものです。
どうよ? このカラーバランスは?
車体の基調色になっている青の美しさはもちろん、カウルの下半分のツヤありブラックもイイ!
フロントフォークの金色とのコントラストも素晴らしいと思いませんか?
基調色の青との対比はもちろん、黒×金という高級感にあふれる組み合わせも筆者の好みにドストライクです。
そして個人的にポイント高いのが、フロントフェンダーやリアシート周りもしっかりと青になっているところです。
2020年式以降にも青の車体色はラインナップされているのですが、フロントフェンダーやリア周りは青色じゃないんですよ。
その他の部分(全体のカラーバランス・フロントフォークが黒)も少しずつ異なっているのですが、個人的にそれらが好みじゃないんです。
あのカラーリングが好きな人もいると思うんですけど、筆者的には2019年式の青が至高ですね。
筆者が2019年式のYZF-R25を購入した最大の要因がこのカラーリングの美しさですから。同モデルのカラーリングなら、現状これ以上のものはないと思います。
あえて他のカラーリングをおすすめするのであれば、2019年式の赤(マットディープレッドメタリック3)はカッコいいですよね。
赤色といえばホンダのイメージがあったので、最初見たときはビックリしましたよ。「ヤマハで、それもYZF系列で赤ベース⁉︎」って感じで。
しかもマット色の赤色なので、バイクのカラーリングとしても珍しいですよね。赤はだいたいメタリックな気がします。
実物を見たことがありますが、ものすごく上質な赤に感じました。マット色を採用することで高級さと落ち着きを演出しているのでしょうか?
2020年式以降のラインナップから赤系のカラーリングがなくなっているのを見るに、あまり評判ではなかったのかもしれませんが、個人的には推したいカラーです。
次は性能面から見ていきましょう。
乗車時のニーグリップがやりやすい
同クラスのSSとしてはマイルドな仕上がり
扱いやすいパラレルツインエンジン
軽快なハンドリング
燃費はかなり良い
バイクに乗り始めてそれなりの時間が経過した筆者は感覚が麻痺して「つま先が接地すれば評価がどうであれ大抵のバイクは乗れる☆」という考えに至っているので、乗りやすさ云々に関してどこまで参考になるか何とも言えないです笑
ただ、YZF-R25納車当時のことを思い出すと、このバイクは本当に乗りやすいバイクだったなぁと思いますね。
まずは多くの人が気にする足付きについて。
足付きはとても良いですね。上記に書いた通り、シート高は780mmと最近のバイクとしては低めだと思います。タンク周り〜シートがスリムになっているため足をすとんと下ろすことができます。
筆者は160cm台前半と身長低めですが、つま先べったりだったので問題なく乗れていましたね。
走行中の注目ポイントとしてはニーグリップがしやすいことが挙げられますね。
教習所で幾度となく指摘されるニーグリップ。極端な話、そこまで意識をしなくともバイクに乗ることはできます。
とはいえ、できるに越したことがないのも確か。
特にSSタイプのバイクや前傾姿勢のキツいバイクはニーグリップ必須だと思っています。
で、このYZF-R25はニーグリップがとてもやりやすいんです。
教習所で乗ったスーフォアとは雲泥の差です。
ニーグリップのやりやすさにつながっているのはタンク形状です。
タンクがちょうど膝を置くのにピッタリな形になっているため、ニーグリップが簡単にできるんですよ。とにかくタンクを挟みやすいんです。
筆者は使わなかったですが、タンクパッドを装着すればもっとニーグリップがしやすくなるのではないでしょうか?
「ニーグリップ必須の乗車姿勢がキツいバイクって初心者向けなの?」と思ったそこのアナタ?
心配御無用!
YZF-R25は同クラスのSSのなかでは足付きや乗車姿勢、エンジン特性などのトータルバランスがマイルドに仕上げられています(価格面も含めて)。
国内主要4メーカーから販売されている同クラスのSS、例えばホンダのCBR250RRやカワサキのZX-25Rのような超高性能250ccスポーツバイクに比べて大変乗りやすくなっています。
乗りやすさの最たる部分は搭載するエンジンの特性ですね。
YZF-R25は水冷4ストDOHC4バルブ直列2気筒のパラレルツインエンジンを搭載しています。マイルドとはいえSSなので高回転型のエンジンではあるのですが、低速走行時でも問題なく扱えるフレンドリーなエンジンだと思います。
エンジンフィールも素直です。回せば回した分だけ加速するので初心者でも感覚的にスピードコントロールができます。加速感やスピードの伸びがイメージしやすいんですよね。
ハンドリングの軽快さも乗りやすさを向上しています。少々雑に操作してもイメージ通りに曲がってくれますよ。
燃費に関しては走らせ方によって変わってくるので何とも言えない部分がありますが、かなり良い方だと思います。上手く調整すればリッター40km以上走ることもできます。
例えば、通常巡航時に5速4000回転くらいで走行するように頑張れば実燃費は40kmを超えます。低燃費走行ってやつですね。
頑張らずとも普通に走っていればリッター30kmは余裕で走るので、少なく見積もっても「タンク容量14L×ざっくり燃費30km/L=420km」は走り続けることが可能です。しかもレギュラーガソリンで走るという懐にも優しい仕様。
「カッコいいスタイルで初心者でも扱いやすい」
これがYZF-R25です。
乗っていたからこそわかる? YZF-R25 のデメリット
ここまでベタ褒めしてきましたが、良いところばかりではありません。
そもそもこの世に非の打ち所がない完璧なバイクなんて存在しませんから。
YZF-R25にもデメリットと言える点があります。
良い点と同じく、まずはわかりやすい見た目の部分から。
正直、スタイルに関しては各個人の好みに依拠するので良いも悪いもその人次第。この記事の内容にしても、筆者の主観全開で書いていますよね。
ここまで読んでくれている方ならおわかりでしょうが、YZF-R25の見た目は筆者の好みドンピシャなので付ける文句がないんですよね。
ただ、ここで「悪いところはありません!」と断言するのは如何なものかと思いますので、ちょっと挙げてみましょう。
見た目を酷評するとすれば、やはりカラーリングになりますね。
良い点としてカラーリングを挙げたときにも少し触れていますが、年式によってはラインナップされているカラーが何とも微妙に思えてしまうんですよね。
2019年式に関してはラインナップされている3色すべてにおいて何の文句もないのです。
文句を付けるとすれば2020年式以降です。
何度も言うように個人的な好みになりますが「もう少しマシなカラバリにできなかったんですか?」と思ってしまうんです。
黒に関してはどの年式のものも無難に良い感じなんですよ。
問題はそれ以外。
青系に関しては2019年式が至高ですし、それ以外はどうにもピンと来ない。
あえて具体的に一つ挙げるなら、2021年式のシアンメタリック6はどうなんですか?
当然これが好きな方もいて然るべきですが、なんかカラーバランスがごちゃついているように感じるんですよね。あと、シアンと別に青も用意されているので「青系統で色かぶりしてるじゃん」って思っちゃいます。
青系の色を2パターン用意するくらいなら全く別系統の色をラインナップした方がいいんじゃないのというのが筆者の個人的な意見です。2019年式の赤が良い感じだったので、あんな具合の赤系カラーリングを復活させても良いのになと思います。
(’21式のカラバリをメーカーの挑戦と捉えればそれ自体は良い試みだとは思いますが…)
まあ、もう少しすれば新型2022年式の発表があるでしょうから、そちらに期待ですね(知らんけど)
スタイルのことはこれくらいにして、次は性能面を見ていきましょう。むしろ、こちらがデメリットを語る上での大本命です。
積載性能はゼロに等しい(ツーリングするなら工夫が必要)
決して軽いとは言えない車両重量
セパハン故に方向転換がやりづらい
高回転型のエンジンらしく低速トルクが弱い(それでも扱いやすいのは確か)
150kmオーバーの超高速走行時にこのバイクの限界を感じる
溺愛して約3年間乗ってきたYZF-R25。
一定期間乗り続けてきたからこそ見えてきたデメリットが上記に並べたものです。
一つずつチェックしていきましょう。
まずは乗車姿勢から。
いくら他社の同クラスSSと比べれば楽な体勢とはいっても、前傾姿勢であることは間違いありません。先ほどマイルドと評してはいますが、しんどくない訳ではありません。
前傾姿勢はしんどいです。断言しましょう。
慣れないうちは体がバッキバキになるでしょう。
乗り方に慣れても長時間乗れば話は別です。
YZF-R25での長距離ツーリング。
可能か不可能か問われれば「可能」と答えます。
筆者は距離ガバツーリングライダーなので、YZF-R25で京都を出発して四国や九州まで行っています。実際にこれで長距離ツーリングをやっているんですから、そりゃ「できる!」と答えますよ。
ジャンルこそSSに分類されるバイクではありますが、そのバイク特性やマイルドな仕上がりから「YZF-R25はツアラーだ!」と評されることだってあるんですよ。
とはいえ、しんどくないとは絶対に言えません。
首も肩も腰もバッキバキになります。
CBR250RRやZX-25Rといったカリッカリのサーキットマシンに片足突っ込んでいるような奴らに比べると楽なだけなんで、YZF-R25をツーリングマシンとして選ぶ方はしんどさを許容する覚悟はしておきましょう。
そして、ツーリングの話をするならこちらも触れなければいけません。
そう、積載能力です。
そもそもバイクという乗り物は積載性に乏しい乗り物です。
だからこそ、荷物を積みたいと考える人はリアキャリアを付けたり、そこにトップボックスを付けたりしますよね。もしかしたら、パニアケースの装着まで考えるかもしれません。
積載能力の高いバイクを求める方なら、例えばスズキのVストローム250なんかを選ぶでしょう。Vストロームならリアキャリアが純正で付いているので、トップボックスがすぐに装着できます。防風効果の高いスクリーンやハンドガードも標準装備。しかもほぼ直立の乗車姿勢でバーハンドルなのでめちゃくちゃ楽です。
しかし、YZF-R25ではそうもいきません。
積載性能はゼロだと思って差し支えないです。
トップボックスが装着できないのは当然として、リアキャリアもありません。
もちろん後からリアキャリアを取り付けてそこにトップボックスを装着することはできますが、あの完成したフォルムにトップボックスを付けようと思いますか?
空力抵抗を軽減するための機能的で美しいフォルムがYZF-R25、もといSSの魅力だと筆者は思うんですよ。
その魅力を損なうようなことをわざわざしたいですか?
「じゃあツーリングの荷物はどうすりゃいいんだよ⁉︎」という疑問が出てきます。当然です。
そんなアナタにおすすめなのが、シートバッグです!
各バイク用品メーカーからたくさんのシートバッグが販売されているので、好みに合わせて装着してやればいいんです。
それこそこんな風に。
ある程度の積載性を確保するなら上の画像くらいのシートバッグになりますが、スタイル重視で選ぶならスタイリッシュな形のものもありますよ。
その上、取り外しも簡単なものが多いので、荷物を積む必要がないときはサクッと外すこともできます。
Vストロームのような積載大得意マシンには劣りますが、工夫次第でどうにでもなります。その工夫を苦に思わないなら積載性能の低さというデメリットはいくらでもカバーできます。
もちろんボディバックやリュックサックを使うのもアリですしね。
挽回できるデメリットを紹介したところでどうしようもないデメリットを。
まず、このバイクの車重は170kgあります。
170kgと聞いてみなさんはどう思いましたか?
教習所のスーフォアより圧倒的に軽いって?
それはそうですね。そもそもスーフォアが教習車として重すぎるんですよ。
で、170kgですよ。これを軽いと言えるのか否か。
答えは「軽いとは言えないが、重い訳でもない」といったところでしょう。何とも歯切れの悪い回答ですみません。
どうしてこんな答えなのか。
その理由は他のバイクを知っている、比較対象があるからです。
大前提としてYZF-R25はフルカウルのバイクです。ものすごく単純な話ですが、カウルが付いているバイクはそのカウルの分だけ重量がプラスされます。
だから、カウルのないバイクたちに比べると車重は重くなってしまいます。
具体例を挙げるなら、オーストリアのメーカーKTMの250ccネイキッドバイク・250DUKEの車重は152kgです。同じ排気量ですが、その車重差は18kgもあります。
国内メーカーならホンダのCRF250Lの車重は140kgです。250DUKEよりもさらに12kgも軽いという脅威の軽量バイクです。YZF-R25との車重差は30kgもあります。
「車重が軽い=性能が良い」なんてことはありませんが、車重が軽いバイクは色々な場面でラクなんですよね。取り回しがしやすいとか、気軽に操れるとか。
YZF-R25が気軽に乗れない訳ではありませんが、初心者ライダー的には気になりますよね?
170kgの車重に荷物まで積むとなると、さらに重量は増しますからね。
この重量をどう捉えるかが、170kgを良いと思うかどうかの決め手です。
この調子でどうしようもないデメリットをもう一つ。
セパレートハンドル故の弊害なのですが、方向転換が難しいです。
さらに、搭載しているエンジンも一つ弱点を抱えています。
扱いやすいエンジンなのは確かなのですが、結局のところ高回転型のエンジンなので低速トルクが弱いです。
セパハン+高回転型エンジン。
これらが合わさった結果どうなるか?
Uターンがめちゃくちゃやりづらいです!
初心者ライダーに限らず、バイクでコケる理由・原因として挙げられることが多いシチュエーション。それは「Uターン時にバランスを崩してそのままステーン!」です。
筆者自身、このシチュエーションで立ちごけをしたことがあります。
セパハンのおかげでハンドルが切りにくいし、低速トルクが貧弱なために徐行時のアクセルとクラッチのコントロールに気をつかいますしね。
こればっかりはしょうがないです。
しょうがないことは他にも。
これは250ccという排気量が故の問題なのですが、150kmを超える超高速巡航時にバイクから「頑張っている感」を感じます。「頑張っている感」が出るとはいえ走ることはできますし、むしろこの速度域がこのバイクの本領と言えるかもしれませんが。
筆者の実体験から挙げるなら、先述しているような速度での高速道路走行中にハンドルの振動で手の感覚が薄れたり、車体が左右にブレたりしたことがあります。
エンジンも「オレのモチベーションめちゃくちゃ高ぇぜ!! アドレナリンどっぱどぱだ!!」と言わんばかりに全開で回るので、エンジン出力100%の余力ゼロ状態で走行をすることになります。当然、そういった走行は車両にも乗り手にも負荷をかけます。
セパハン&低速トルク貧弱問題に関しては個人の技量でカバーできますが、この「頑張っている感」については本当に対策のしようがありません。
できることがあるとすればハンドルの振動対策くらいでしょうか? ハンドルグリップを減振効果のあるものに変えたり、バーエンドを重いものに交換したり。そのくらいしか思いつきませんが、やったとしても振動を100%抑えることはできません。
ここについては割り切るしかないでしょう。
YZF-R25はこうしたデメリットがあるバイクだと思います。
これらをデメリットと捉えるか否かはアナタ次第ですけどね。
メリット・デメリットを踏まえて、個人的総評
さてさて、ここまでYZF-R25というバイクについて、そのメリットとデメリットを語ってきました。
読んでくださっているみなさんはメリット・デメリットの双方を比べて色々と思考を巡らせていることでしょう。
そして、こう思ったのではないですか?
「で、結局YZF-R25ってどうなん? 買いなの、それともやめておいた方がいいの?」
明確な結論、答えが欲しいですよね?
その要望に応えることになるかはわかりませんが、ここで一つYZF-R25というバイクの総評をしましょう!
まずは結論から。
筆者的に、YZF-R25 は初心者にこそ乗ってほしい一台だと思います!
そう思う理由を簡単にまとめてみました。
乗るのが楽しい
メリット・デメリットを含めてトータルバランスに優れており乗り手を選ばないため初心者でも乗りやすい
上記に尽きますね。
カッコいい・楽しい・乗りやすい
こんなに良いバイクがあるでしょうか?
あるんだな、これが。
メリット・デメリットの詳細は先に書いた内容に任せるのでここでは割愛しますが、「毎日使えるスーパースポーツ」というキャッチフレーズがピッタリなバランスの取れたマシンであることは間違いありません。
初心者におすすめする理由は他にもあります。
YZF-R25はあまり電子制御が付いていません。付いているのはABSくらいです。
クイックシフター、クルーズコントロール、走行モードはもちろんありません。
この電子制御に乏しいバイクを初心者に薦める理由は、バイクという乗り物の乗り方を知るのにちょうど良い一台だと考えるからです。
近年のバイク、特に大型バイクはこれでもかというほど電子制御を盛りに盛った結果、トンデモハイテクバイクになっていますよね。
250ccクラスでも、カワサキのZX-25Rはすごいことになっています。250ccなのにクイックシフター搭載ですよ。とんでもないですね!(価格含めて)
それに比べてYZF-R25はそこまでハイテクではない。
だからこそ、乗り手の運転技術が試されるんです。
どのタイミングでシフトを上げればいいかわからない? 同じようにシフトダウンのタイミングもわからない?
わからなくて当然です。教習車仕様のスーフォアしか乗っていないんですから。それならわかるまで色々試してみてください。
クイックシフターがないから、シフトのアップダウンは自身の判断でしなければなりません。回転数を自動でコントロールするなんてことは一切ないので、スムーズなギアチェンジにはスロットル操作によるアクセル開度の調整が必須です。
発進時にエンストしてしまう? 坂道発進が上手くできない? できるように練習すればいいじゃあないですか。最初からできるなんてそんな都合の良いことはありませんよ。
発進時のエンスト防止機能が搭載されているバイクもあるようですが、YZF-R25にそんなものはありません。半クラッチやエンストしないギリギリの感覚は自分で掴むしかないのです。坂道でスムーズに発進するためのアクセル開度や半クラッチの具合も自分の体に覚えさせてください。
筆者もこのバイクに乗り出した当初、バイクの運転がド下手でしたよ。
それこそ筆者にとっての初バイクがYZF-R25ですからね。
ギアチェンジのタイミングなんてさっぱりでしたし、エンストしまくりでした。アクセルワークもからっきしダメで、坂道発進はいつもドキドキ。
それでも乗りたかった。
色々な場所に行きたいと思った。
だから、たくさん練習しました。
納車して間もない頃は毎日のように乗っていましたね。休日はもちろん、仕事がある日も退勤後に走っていましたよ。
練習の度に様々なことを試したものです。今日はなるべく高めのギアで走ってみようとか、いつもは4速で流すところを3速でいってみようとか。とにかく色々やっていたことを覚えています。
そのおかげと言ってもいいかはわかりませんが、YZF-R25を3年ほど乗った経験がある今となっては、
「つま先が接地すれば評価がどうであれ大抵のバイクは乗れる☆」
「まあ乗ってしまえば何とかなるやろ(知らんけど)」
という考えのガバガバライダーになっちゃいました。
自身の運転技術が高いとは思っていませんが、少なくともYZF-R25というバイクを初めてのマニュアルバイクに選んだことがバイクという乗り物への慣れや理解の助けになったことは間違いないです。
YZF-R25という電子的なサポートの少ないバイクに乗ったからこそ筆者は「バイクという乗り物の乗り方」を身につけることができたのだと思っています。
こうした自身の経験も踏まえて、筆者は初心者ライダーの初めての一台にYZF-R25というバイクをおすすめしています。
バイクという乗り物の乗り方を理解すれば、どんなバイクであってもある程度乗りこなせますからね。
今後のバイクライフのことも考えるからこそ、最初の一台にハイテクではないYZF-R25を選んで欲しいなと思うんですよ。
ハイテクではないと評してはいますが、マジで乗りやすいバイクですからね!
結論:YZF-R25 は初心者にこそ乗ってほしい一台!
筆者が言いたいことはこの結論に尽きます。
YZF-R25は本当に乗りやすくて楽しいバイクです。
本記事を読んでこのバイクが気になった方は、他の方のインプレ記事・動画もチェックしてください。
そして実物を見に行きましょう。全国各地のYSPやバイク販売店に行けば置いてあると思います。
試しにまたがってみましょう。もし可能なら試乗もやっちゃってください。
悩み抜いた末、アナタの心にビビッとクるものがあったら…
そのときは“買い”じゃあないですか?
みなさまのバイク選びが上手くいきますよう、心より願っております。
それでは〜
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