みなさん、こんにちは!
タングステンです。
突然ですが「重機オペレーター」ってご存知ですか?
読んで字の如く重機をオペレート、操作する人ですね。
重機にもいろいろありますが、乗ってみたいと思ったことはありませんか?
今回はそんなニーズに応えているかもしれない「小型車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)の運転の業務に係る特別教育」について紹介します。
そもそも「小型車両系(中略)特別教育」とは何なのか、受講にかかる時間・費用についてまとめるだけではなく、筆者自身が受講をしたときの体験・経験も交えて書いていきますよ。
実際に受けたときにどうなのかが気になっている方は要チェック! このまま読み進めましょう。
街中の”はたらくくるま”
♪ のりもの あつまれ いろんな くるま
♪ どんどんででこい はたらくくるま
「急にどうした?」と思ったでしょうか?
こちらは『はたらくくるま』という曲に登場する有名なフレーズです。大多数の人が知っているのではないかと思います。
この曲では、世の中に存在する”はたらくくるま”が歌にのせて紹介されています。
例えば…
♪ けがにん びょうにんいそいで きゅうきゅうしゃ(きゅうきゅうしゃ)
♪ こわれた くるまをうごかす レッカーしゃ(レッカーしゃ)
♪ ガソリン まんたんはいたつ タンクローリー(タンクローリー)
といった感じに様々な”はたらくくるま”が紹介されます。
筆者は子どもの頃に聴いていた記憶がありますね。この曲を聴いて世の中にある”はたらくくるま”を知りました。
それこそ「いろんな くるまがあるんだなあ」「いろんな おしごとあるんだなあ」と思っていたような気がします。
大人になった今、街中を見渡すと曲で紹介されているものに限らず、たくさんの”はたらくくるま”があることがわかります。
パトカー、消防車、ゴミ収集車、タクシー、路線バス、運送トラック etc.
これらの車両が生活圏内の道路を走っているなんてことは日常茶飯事でしょう。見ない日は無いと言っても過言ではありません。
工事現場で大活躍の”はたらくくるま”
“はたらくくるま”が活躍する場所は多岐に渡ります。
そのなかでもイメージしやすいのが工事現場でしょう。
工事現場は”はたらくくるま”のテーマパークです!
ショベルカー、ダンプカー、ブルドーザー、クレーン車、フォークリフト、ロードローラー etc.
幼稚園・保育園~小学校くらいの子どもが好きそうな乗り物が目白押しですね。
ここで挙げている乗り物、主に工事現場等で使用される乗り物はひっくるめて「建設機械」「重機」と呼ばれています。
建設機械は幅広い土木・建築作業に用いられており、人力では困難な作業を安全で効率的に実行しています。建設機械の活躍は現代のインフラ整備に必須です。
そんな建設機械の操縦って難しそうですよね?
ショベルカーの操縦って経験ある?
ところで、みなさんはショベルカーに乗ったことあります?
あまりにも唐突な質問で驚かれたことと思います。
で、乗ったことありますか?
まあ、乗ったことないですよね。
そもそも、この記事の読者として想定している人は建設作業員ではないので、乗ったことなくて当然です。
今、記事を読んでくれている方の多くは営業職や事務職、いわゆる”ホワイトカラー“と呼ばれるタイプの仕事をしている方だと思います。
仕事や日常生活でショベルカーに乗る機会も理由もないでしょうから、操縦経験がないのが普通ですよね。
では、ここで質問を変えましょう。
みなさんはショベルカーに乗ってみたいと思いますか?
建設機械の操縦に興味がない方はこの記事にたどり着かないでしょうから、ここまで読んでくれている方は基本的に乗ってみたいと思っている方ですよね。
今年の1月にNHK総合で放送された『所さん!大変ですよ』の重機特集回を視聴して、建設機械の操縦に興味を持った方も一定数いることでしょう。
乗ってみたいという気持ちだけが高まり、いろいろと調べているうちにここにたどり着いたのではないですか?
完全初心者でもショベルカーに乗れる講習がある!
ショベルカーを含む建設機械に乗った経験がまったくない。初心者にも手が届いていない人がショベルカーに乗る方法があるのか。
あるんです!
これまでの経験を問わず、ショベルカーを含む建設機械の操縦や車両特性を学ぶことができる講習があるんですよ!
その講習こそが「小型車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)の運転の業務に係る特別教育」です。
講習名が長いので以降は「小型車両系建設機械 特別教育」と表記します。
「小型車両系建設機械 特別教育」とは
「小型車両系建設機械 特別教育」は事業者が該当する車両系建設機械を用いた業務に労働者を従事させる場合において、事業者から労働者に対してしなければならない特別な教育のことです。事業者は安全・衛生のために教育することを義務付けられています。
該当する車両系建設機械とは、機体質量が3t未満であり「整地・運搬・積込み用」及び「掘削用」の機械で、動力を用い、かつ不特定の場所に自走できるものを指しています。
ものすごくわかりにくいと思うので、もう少し簡潔に説明しましょう。
3t未満の建設機械のうち、土砂を掘ったり運んだり、モノを移動させたり積んだりできる機械を使って仕事をするために受ける必要がある教育が「小型車両系建設機械 特別教育」です。
それこそ、ショベルカーを使って仕事をするなら必須の教育です。
「小型車両系建設機械 特別教育」は事業者に義務付けられているものですが、事業者による教育が困難な場合は各都道府県の労働局に登録されている教習機関で教育を受けることになります。
要するに、労働局に認可された教習所で講習を修了すれば、ショベルカーを使って仕事ができるようになるんです。
講習にかかる時間・費用
教習所で「小型車両系建設機械 特別教育」を受ける場合は2日かけて所定のカリキュラムをこなしていきます。
1日目は学科を7時間、2日目は実技を6時間。計13時間をかけて必要な科目を学びます。
所定のカリキュラムを修了すれば、修了証が交付されます。この修了証を所持していることが「小型車両系建設機械 特別教育」を受けたことの証明となるので、該当する建設機械を用いた仕事をする際は修了証を携行する必要があります。
カリキュラムは全国共通。東京で受けようが、四国で受けようが内容は同じです。
修了証は受講地域に問わず効力を有するので、北海道で交付された修了証を九州で使うこともできます。
受講の費用ですが、これは教習所によって異なります。
詳細は各教習所にて確認する必要がありますが、15,000円~20,000円くらいが受講料の相場です。
ちなみに、筆者が受講した教習所の受講料は18,000円でした。
講習にかかる時間・費用について以下にまとめてみました。
講習費用:15,000円~20,000円
「平日は仕事、土日に休み」という会社勤めの方でも、土日を使えば講習を受けることができますね。講習費用が高いか否かは各人の感覚に依拠するので何とも言えないですが、支払えない金額ではないと思います。
どうですか? 結構カンタンに受講できそうでしょう?
とはいえ、実際受講した感じがどうなのか気になりますよね?
という訳で、ここからは実際に「小型車両系建設 特別教育」を受けてきた筆者による受講レポートを書いていきますよ!
講習1日目はひたすら座学
待ちに待った講習、1日目は朝から夕方まで学科。
受付で必要な手続きを済ませた後、学科教室に行くと十数人の受講者が着席していました。
席順は受付番号順になっていたので、自分の番号が振られている席に着きました。
教室前方の席に座りたかったので座席が自由じゃないのは少し残念。
コロナ禍での講習実施に際して、室内の換気や二酸化炭素濃度、座席間隔などを考慮しているからこそ座席を指定しているんでしょうね。
受講時の注意事項も「マスク着用」「こまめな手洗い・アルコール消毒」「会話は最小限」と感染対策を意識したものになっていましたよ。
余談ですが、今回の講習は知人と2人で受けに行きました。申込手続きも2人分一緒にしましたが、受付番号は連番ではなかったです。そのため座席も前後とか隣ではありませんでした。
肝心の内容ですが、教育規定に定められた以下の科目をテキストに沿って学んでいきます。
作業に関する装置の構造、取扱い及び作業方法に関する知識
運転に必要な一般的事項に関する知識
関係法令
上記の科目を7時間かけてお勉強するのが1日目の学科です。
で、この学科なんですけどね。
こう言っちゃ悪いんですけど、めちゃくちゃ退屈なんですよ。
テキストの内容を淡々と読み上げるだけの時間が多かったり、ディーゼルエンジンの仕組みについて長々と話を聞いたり。まあこれも大切なことではあるんでしょうけど、もっとなかったのかなと思ってしまう訳ですよ。
「小型車両系建設機械 特別教育」ならではの内容をもっと学びたかったなと。
実際はたった1時間でしたが、関係法令のこととかもっと詳しく教えてほしかったなと思います。
規定の学科時間を修了することが目的と理解して耐えるしかないですね…
お待ちかねの実技講習は2日目
退屈で仕方なかった1日目を終え、いよいよやってきました。
2日目は待望の実技講習です!
今回はホイールローダーとミニショベルの2つに乗りました。
はじめに乗ったのはホイールローダー。車両前方に土砂をすくう機構(=バケット)があり、四輪で走行する建設機械ですね。講習では講師の指示に従って前進と後進、カーブの走行を数回やりました。
このホイールローダーですが、一般的な自動車とは根本的に違っている車両特性があります。
それは、車体そのものが折れて曲がるところです。車体中央付近にある関節部分が折れ曲がることで操舵ができるんですよ。
一般的な自動車はハンドルの切れ具合にあわせて前輪の向きが変わりますよね。前輪で舵を取ることで車両が曲がります。前輪を軸にして車両が曲がっていくため前輪と後輪の走行ラインに差が出ます。ちなみに、この走行ラインの差のことを「内輪差」「外輪差」と呼びますね。
前輪で舵を取るタイプの車両とは異なり、車体そのものが折れて曲がるホイールローダーは前輪と後輪が同じラインを通るため内輪差も外輪差もありません。
独特の操舵機構を持つホイールローダーですが、走行させるのはそんなに難しくありませんでした。
内輪差・外輪差の有無に違いがあるとはいえ、結局は四輪で走る乗り物です。一般的な四輪車と操作にそれほど違いはありません。前輪が通った場所と同じところを後輪も通ると意識してしまえばそこまでです。
お次はミニショベルです。
建設機械、重機と聞いて真っ先に思い浮かぶものがこれかもしれません。
車体からにょーんと伸びる作業装置と足回りのキャタピラが特徴的ですよね。これこそまさしく工事現場の”はたらくくるま”でしょう。
講習では簡単な走行と作業装置の操作をしました。
人生で初めてキャタピラの付いた車両に乗りましたが、本当に不整地でもスイスイ進むんですね。未舗装の坂道でも力強く登っていきましたよ。
操縦方法も面白いですね。操縦席前方に左右2本のレバーがあり、2本のレバーを倒して前後に進んだり車体を曲げたりします。2本のレバーは片手で操作することができるように隣接して生えています。
座席左右にもレバーが数本生えており、車体上部を回転させたり、作業装置を操作したりするのに使います。
先ほどから作業装置と呼んでいる機構は先端からバケット・アーム・ブームという名称があり、各部別々に動かすことができます。バケット・アーム・ブームの動きを上手く連動させるのはなかなか難しいです。
講習中に操作できる時間は限られているので、腕を磨きたいなら講習終了後も練習する必要があると思います。
ただ、今後も仕事で使うという方なら業務を通じて練習できると思いますが、筆者のように仕事とかはまったく関係なく趣味の一環で受講した人はそうはいかないでしょう。
建設機械の練習施設みたいな場所があれば、趣味で建設機械に乗る人にとって良いんだろうなと思う次第です。
もし知っている方がいらっしゃったら教えてください。
講習修了の証をゲット!
7時間の学科、6時間の実技。
これらすべてを受講し終えた今、ついに特別教育修了です。
特別教育を受講した証、修了証も交付されました!
ちなみに、特別教育には試験がなく、規定のカリキュラムをすべて受講すればその日のうちに修了証がもらえます。すぐに修了証をもらえるので成果を感じやすいですね。
この修了証を手にしたことで「機体質量が3t未満であり『整地・運搬・積込み用』及び「掘削用」の機械で、動力を用い、かつ不特定の場所に自走できるもの」に該当する建設機械を用いた業務を実施できるようになりました。
これでいつでもミニショベルの操縦ができますね!
興味があるなら即受講! キミも重機オペレーターだ!
今回は「小型車両系建設機械 特別教育」についてまとめてみました。
筆者自身も受講して思いましたが、想像しているより安くて短時間で受けられるんですよね。その上、試験がなく規定時間を修了すれば受講を証明する修了証をもらえますから、気負うことなく受けることができます。
今後仕事で使うかどうかはともかく、面白い経験になるはずです。
少しでも建設機械・重機の操作に興味があるなら、サクッと受けてみてもいいんじゃないでしょうか?
「よし、受講するか!」と思い立った方はお近くの教習所を探してみてくださいね。
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